Match Report
2006.4.26
村上潤二 vs 李 英範(韓国/東洋太平洋4位)10回戦
京王プラザホテル八王子


対戦相手は、東洋太平洋Sフェザー級4位の李英範選手(韓国・以下李)[6勝4敗]。
サウスポーのファイターで、昨年12月には稲田千賢選手(帝拳)の持つ
東洋太平洋ライト級タイトルへ挑戦した実績を持つ強豪である。


1R、サウスポー同士であり、村上選手はシャープな右ジャブを突いていき、左ストレートをクリーンヒットする。
好調な村上選手は右ジャブがよく当たり、更には左フックをヒットする。
一方、李は左右パンチを振り回し、強烈な右ボディを打ちこみ左右ボディで攻めていった。

2R、村上選手はこのラウンドも右ジャブを突いていく。李はボディを攻めていく。
李はホールドが多いものの、足の速い村上選手を捕まえるのに一苦労である。
終盤は李の左ストレートが浅いながらもヒットした。

3R、右ジャブからコントロールする村上選手は展開が悪くないものの、李のラフな攻めに手を焼いている。
それでも李の入り際に右のショートフックがクリーンヒットすると、
更に右フックをヒットし左ストレート、右ボディをヒットする。
そして右フックをクリーンヒットし李をぐらつかせると、右ボディをめり込ませラウンドを作った。

4R、村上選手の強烈な左スイングに観客は大きく沸くものの、李もブロックをしてディフェンスをする。
それでもペースを握る村上選手は李の空振りしたところへワンツー、左右フックをクリーンヒットする。
良いパンチを入れている村上選手であるが、丹念に右ジャブを突いて攻めていった。

5R、村上選手はボディへ左ストレートを伸ばす。李も左ボディをヒットする。
村上選手は強烈な右フックを顔面に打ち込んで、左ボディ・右フックをクリーンヒットする。
両者ボディを叩き合うが、李はボディこそ当たるものの上への攻撃は全く当たらない。

6R、村上選手がボディへ攻めていくところへ、李が左右フックをヒットする。
それでも村上選手は右ジャブからワンツー、右フックとコンビネーションをヒットして更に右フックをクリーンヒットする。
李はクリンチで凌ぐが村上選手は抜け目なく左右ボディを叩きこんだ。

7R、村上選手は右ジャブから右フックをクリーンヒットする。
更に李の右に左を合わせるとボディまで打ち込み、ワンツーをクリーンヒットする。
その後も右フック・ワンツーと一方的に打ちまくる。
接近戦では李もボディを叩いていくが村上選手は左ストレート・右フックをクリーンヒットする。
終盤、李の右フックがアゴを捕らえるものの、村上選手は左フック・右フックをクリーンヒットした。
これだけ一方的な展開なのに李は本当に打たれ強く典型的なコリアンファイターである。

8R、村上選手の右ジャブが、面白いようにヒットする。
するとジャブから右フックを当てて左スイング、左アッパーボディとヒットする。
さらには右フックを連発でヒットすると、ワンツーから左ストレートをクリーンヒットし
更に左ストレートを立て続けにヒットした。
それにしても、李の打たれ強さは異常である。選手、セコンド、観客すべてがうんざりしてしまうほどだ。

9R、村上選手は変わらず右ジャブから試合を作り、フック・アッパーで攻め立てる。
そして左からまとめていき左ストレートを連発で打ち込み、李の体が仰け反るとレフェリーがストップ。
41秒村上潤二選手のTKO勝ちとなりました。

恐ろしいほどに打たれ強い李はストップに不満を訴えていたが、9Rにわたり一方的に打たれ続け、
身体にダメージの蓄積が心配されてもおかしくないほどの打たれようだった。
それでも、リングを降りた後も全く元気な表情で会場を歩く李を見ていると、なんと丈夫な選手なのだろうと思った。
一方の村上選手は、打たれ強く突進してくる李に対して的確に左右パンチを浴びせ続けても、
衰えないスタミナを披露した。
通常、闘牛は剣を刺して猛牛が息絶えると終了するが、
今日の闘牛はいくらパンチという剣をいくら刺しても絶えることなかった。
マタドール村上潤二としては、試合後の勝利者インタビューでも呼吸が乱れ、大変な夜となってしまった。

日本ランカーとしてメインを見事務め上げた村上潤二選手の戦績は、15勝(7KO)3敗1分となりました。


Report by マニアック班長
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